現代制御理論

「対象とする系の入出力関係式(伝達関数、周波数伝達関数、インパルス応答、重み関数、スペクトル密度関数、相互共分散関数など)とそれを実現する線形システムの内部構造(ダイナミックス)との対応関係を明らかにした上で、生の微分方程式そのものの構造と性質を調べ、システムの解析や合成問題を論ずる一般的方法論が集大成され、線形システム理論と名づけられた。この方法論は、主として制御工学の分野で1960年代に活発に研究され、状態変数法あるいは実時間法とも称され、この考え方に基づいたフィードバック制御理論のことを現代制御理論と呼ぶようになっている。」(有本,1977,p.23)


「時系列信号をフーリエ変換して、周波数領域でシステムを解析し合成する方法論を周波数領域法といい、この考え方に基づいたフィードバック制御理論のことを、古典制御理論と呼ぶ。」(有本,1977,p.24)


なるほど、どうりで職を失ったロケットサイエンティストウォール街で仕事を得られた訳だ。伊藤解析を用いて連続時間モデルでの議論も可能だから、まさに使っていた理論を金融分野に適用できたのか。


「カルマンは、予測理論を確率過程の専門家の手から工学技術者の一般大衆が手に触れることのできるものにし、数学的理論を工学的なデータ処理技術と結びつけることに成功したのである。」(有本,1977,p.23)


参考文献 有本卓 (1977) 『カルマン・フィルター』産業図書

カルマン・フィルター (システム・サイエンス・シリーズ)

カルマン・フィルター (システム・サイエンス・シリーズ)


実は、ウィリアムズの本でも少し紹介されている。